ラインバウト・デ・ヴァケイラス

ラインバウト・デ・ヴァケイラス(Raimbaut de Vaqueiras, 活動時期:1180年 - 1207年)は、プロヴァンス語の吟遊詩人トルバドゥール。後半生は騎士。その生涯のほとんどをイタリアの宮廷で費やしたが、それは1203年までで、以後は第4回十字軍に参加した。

ラインバウトの編んだ唯一の本に残された、現存する歌33曲は、いずれも彼が作ったものだと考えられている。それにつけられたメロディも、8つ残っている。そこには、5カ国語のデスコルトや、カンソ、テンソ、アルバといった、さまざまなトルバドゥールの詩形が駆使されている。彼の歌の一つ『Kalenda Maia』は、エスタンピーといわれるトルバドゥールのメロディの中でも最良のものの一つである。Razo(「理由」を意味する。散文で書かれた解説のこと)によると、彼は2人の音楽家の作った曲を借用していると言われている。確かに、エスタンピとは純粋な器楽曲に用いられる言葉で、ラインバルトの歌がどうしてそう呼ばれるのか、その謎をすっきり解き明かしてくれる解説である。