ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ

ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ (Wolfram von Eschenbach 1160/80年頃 - 1220年頃またはそれ以降と推測)はドイツ人の詩人。中世ドイツ文学の多くの叙事的作品が彼によるものである。また、彼はミンネザングの歌人として多くの抒情詩ものこしている。

『ティトゥレル』断片は、中世後期に多大な影響を及ぼした。この断片のために発明された詩形は、いわゆる「ティトゥレル詩形」 (Titurelstrophe) と呼ばれ、後に多くの詩人に用いられた。また、この断片自体も13世紀にアルブレヒト・フォン・シャルフェンベルクによって詳細な長編小説へと拡大された。シャルフェンベルクによる『若きティトゥレル』も中世末期にはヴォルフラム自身の作品と見なされ、最も重要な騎士物語詩人としての彼の名誉をいっそう高めるのに寄与したのである。『パルツィヴァール』は、1470年以降の書籍印刷の時代になっても多くの版を数えた唯一の韻文文学である。そしてこの題材は、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『パルジファル』の台本執筆の原案となった。また、ヴォルフラム自身もワーグナーのオペラ『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』の作中人物として登場している。